ピートをクビにしてなぜリンゴにしたか。
これはビートルズデビュー前夜の英国のポップス界を知らなければならない。
というかもう知ってると思うけど。
そのころ英国では歌唱力抜群で甘いマスクのクリフリチャード、
お洒落でかっこいいシャドウズ、
そうクリフリチャード&ざシャドウズがヒットを連発していた。
米国ではビーチボーイズみたいなビートルズと似たバンドが流行っていた。
そういった点でビートルズもうまく行けばクリフの二番煎じくらい行けるはずだった。
ビートルズを受け入れる態勢がもう英国には出来ていたからね。
だからこの歌唱力抜群のビートルズに駄目出ししたデッカの担当者が、
上層部から責を問われたのは当然だろう。
EMI にしても戦略を練ったはずだ。ビートルズの弱さはドラムにあった。
あんな緊張感の無いドラムでは、ヘタをすれば「クリフの真似をしたバンド」ってだけで
終わる可能性が高い。シャドウズのレベルは高いからね。
だからピートはクビになって当然だ。EMI だって商売だからね。ドライに行かないと。
EMI が用意したスタジオドラマーより、ビートルズと親しかったリンゴを選択したのは懸命だろう。
ドラマーが流動的ではバンドとしての一体感が損なわれるからね。
ビートルズの2枚目のシングル How Do You Do It をお蔵入りさせたのもクリフの影響だろう。
あの曲はまさにクリフリチャードに乗っかったような曲調だからね。
またクリフは「ソングライター」では無かったから、
それに対抗する意味でもオリジナルに固執したのではないかと容易に想像できる。
ビートルズの衣装や立ちい振る舞いにもシャドウズの影響が見て取れる。
これはブライアンの戦略だろう。
お揃いのお洒落なブレザーを着て好青年ぶりを発揮しているシャドウズがいる以上、
革ジャンにジーンズでは一般大衆には汚らしいバンドに見えてしまうからね。
あの襟無しスーツや一曲ごとの深々としたお辞儀は明らかにシャドウズを意識したものだ。
ビートルズは偶然のたまものではないわけだ。いきなりのレボリューションとか
突然の奇跡なんて起きるわけが無いからね。
もう知ってると思うけど。ヒマだね。
返信する